日本国憲法は押し付けか?

 「現行憲法は日本が占領されていた時代にGHQによって強制されたもので無効だ」という言葉が改憲派にあります。

 では「押し付け」によって修正しなければいけない点とはなんでしょうか?言うまでもなく憲法9条を変えよという事ですが、改憲論者はこの点に明確に答えていません。ただ「押し付け」だからイカンと言うのです。では、歴史的にみてどうなのでしょうか?

 

日本はポツダム宣言を受け入れることで平和国家となる事を国際的に約束した

 敗戦で日本が受け入れたポツダム宣言には、軍国主義を永久に排除(6条) 言論・思想の自由並びに基本的人権の尊重を確立(10条) 日本国民における民主主義の復活に対する一切の障害を除去する事(同条) と敗戦後の日本において平和主義・民主主義・人権尊重を実現する政治体制が樹立するべきだと定めているのです。それを日本は受け入れて世界にその旨を実行することを誓約したのです。

 明治維新以来続いた天皇絶対の政治体制の下で、国民の自由や人権は制約されてきました。その中で台頭した軍国主義の下で、アジアで2000万人、日本国内で300万人もの人々が命を落としました。そうした軍国主義と永久に訣別し、平和と民主主義国家を築くことをポツダム宣言を受け入れることによって日本は世界に表明したのです。

 

自国で平和憲法を作れなかった当時の日本~天皇統治権を温存(当時の日本案)

 ポツダム宣言には、これらの民主的改革が達せられ平和的政府が樹立されれば占領軍は日本より撤収する(12条) とあります。アメリカが連合国と言う名目で日本を占領下においたのは事実ですが、GHQが日本側に命じて作らせた草案は、天皇の統治権の温存、天皇中心の政治を継続するものでした。これには当時の日本の政治家が民主化とをまるで理解していなかったことがあげられています。平和民主主義の社会づくりをこうした人たちに任せておけない中でGHQが草案を出すこととなり、その後紆余曲折はありますが現在の憲法が出来ました。

 ※直後の朝鮮戦争で、アメリカが朝鮮侵略の前進基地として日本を位置づけた事で、自ら定めた9条をなくせと言い出したのは別問題としてここでは置きます。

 

制定手続きよりも憲法が果たしている役割こそ重要ではないでしょうか。

 経過を見れば確かに「押し付け」と言えなくもない。しかし現実は、日本はポツダム宣言を受け入れて平和国家になりますよと言っておきながら、平和憲法を自分で作る事ができなかった。その能力がなかったから「押し付け」を許してしまったとも言えます。

 しかし、問題にすべきは、こうした手続きよりも”憲法が果たしてきた役割”特に9条があるおかげで日本が戦後70年間戦争によって海外で一人も殺さず、国内でも殺されず過ごしてこれたことにあるのではないでしょうか?輝かしい実績をもつ憲法9条こそ、日本国民が世界に誇れる宝だと思います。

                           2013/5/13