決壊部分の堤防から、更地になっているが住宅があった場所
決壊部分の堤防から、更地になっているが住宅があった場所

志太広域事務組合議会行政視察報告

2017年1月16日(月)~17日(火)

①茨城県常総市(常総地方広域市町村圏事務組合消防本部)

 2015年の鬼怒川の氾濫で3人の死者と多数の住宅などの被害を出した事は記憶に新しいことです。

 今回の視察は実際現場指揮に当たった消防です。常総市、つくばみらい市、守谷市3市の一部事務組合として消防が構成されています(構成人口15万人、職員数245人、消防署数3)

 この豪雨は、上流部分(日光地域)に500ミリを超える降雨があり、現場は大した降雨はなかったそうですが、数々の教訓に満ち溢れており、現場の人も率直に言っていたけれど「反面教師」として考えてもらいたいとの事でした。

 まず、失敗の第1は救命ボート(エンジン付き)が2艘しかなく応援部隊の機敏な対応がなければ手が付けられなかったとの事です。鬼怒川が決壊した1時間後に県消防にボート隊の応援要請、その35分後に陸上部隊の要請をしたそうですが、決壊したとの情報も現場には届かずに「恥も外聞もなく」要請を出す。たまたま11月に合同訓練の予定がありお互いに情報があったため応援部隊は迅速に対応できたそうです。

 教訓の第2は、鬼怒川と並行して流れる小貝川がかつて何度か決壊を繰り返していたが、鬼怒川は決壊したことがなかったので小貝川ばかりに関心があった事。常総市の中心部(旧水海道市)は両川に挟まれる形の市街地を形成しています。その為か、当初の決壊部分は幅20mだったのが、何ら対応されていなかったので200mにまで広がり甚大な被害がもたらされたそうです。

 教訓の第3は、各都県隊の応援部隊の駐車スペースの確保に苦労した点、1県あたり17~18台の消防関連車が来る。それぞれの都県隊がまとまって活動するための集結地点の確保です。災害救助のエリア分担をあらかじめ決めておき、集結できる駐車場を確保しておくことが大事だと。急には決められませんから。実際は、斎場や学校などの敷地を利用したそうです。

 災害に伴う瓦礫は24000㌧で、燃やす事も出来ず産廃扱い。これだけの処理をどうするのか、事前に決めておくことも大事だとの事でした。

工事の様子。近隣の住宅に影響しないよう全覆い型仮設ネット(白い部分)で全てを覆い工事をした
工事の様子。近隣の住宅に影響しないよう全覆い型仮設ネット(白い部分)で全てを覆い工事をした

②練馬清掃工場(東京23区清掃一部事務組合)

 2日目は東京練馬のゴミ焼却場。昨年11月に改築オープンしたばかりの工場です。仮宿を候補地としている藤枝焼津の新清掃工場の取組に活かすかどうかです。

 練馬の工場は発電設備(17800kW、45500世帯分に相当)も兼ね備えており、都内21か所の工場でも最新鋭の設備と言われています。

 特徴は、市街地のど真ん中にある事。ただ昭和33年に初代工場が建築されたときは、まわりはお寺が数か所あるくらいだったのが高度成長期の昭和40年代に一気に住宅建築が進んだ事情があるようです。その為、防音、消臭設備にも数々の工夫がなされていました。(吸音パネルや高さ6メートルの吸音壁、搬入口の自動開閉扉など)

 その為、敷地面積は15000㎡と都内工場中3番目に小さく、その分従来は地上に建築する施設を地下(30メートルの深度)に建築している事もわかりました。ごみの処理には燃やす、溶かすと色々ありますが、燃やす(ストーカー)方式を取っています。

 処理能力は一日500㌧、炉数は2、新清掃工場は現在230㌧を予定していますから、能力も大きいです。

 大きな違いは、焼却灰の処理経費が安く済むこと。志太広域は遠く九州まで運んでいますが、こちらは東京湾に埋め立て場所があり50年先まで確保できている事も大きい。

これも工事中の写真。空洞部分(地下)に発電設備などを建設した
これも工事中の写真。空洞部分(地下)に発電設備などを建設した

 また、この工場はごみを搬入する従業員も、工場の運転を行う技術者も全て自治体の職員の直営方式というのもわかりました。

 現在、志広組は搬入は民間委託で運転は直営ですが、過去の私の議会質問に対し、この部門の将来の委託化を否定していません。

 その理由は、委託にすると業者言いなりになる事。つまり、業者としては儲けたいので、大した故障ではなくてもすぐ修理を依頼する。それに対して、修理しなくても大丈夫じゃないか(お金をかけない)と言えるような知識がないと、業者言いなりになる(税金の無駄遣いになる)そのため、職員としての技術者を養成しているとの事でした。将来の委託はあるかもしれないが、その備えとして直営を堅持する姿勢は見習いたいと思います。