健康福祉常任委員会 7月28日(月)~29日(火) 岡山県赤穂市・広島県尾道市 それぞれの市立病院

病院長が本音で対応してくれた赤穂市民病院
病院長が本音で対応してくれた赤穂市民病院

 所属する常任委員会の視察、二つの公立病院です。初日は兵庫県赤穂市。病院長(事業管理者兼務)が対応してくれました。

 国は医療圏と言うのを定めています。2次医療圏という枠組みを勝手に作り、その中には公立病院は1つだけで良いとして公立病院をなく市民営化を進めたのが小泉構造改革でした。しかし、この医療圏構想はどこも頓挫しています。志太榛原圏内もひとつの医療圏とされましたが、島田・焼津・藤枝・榛原の広範な地域で公立病院が一つでいい構想など実現するわけがありません。

 それはともかく、医療圏の拠点となる病院として地域医療拠点病院(圏域内に一つか二つあるのが理想とされる)の資格を得るためには、開業医からの紹介状持参の患者がどれくらいいるか&市立病院から開業医に転院させる患者がどれくらいいるかという紹介率と逆紹介率が高ければ高いほど地域医療拠点病院になれ、国からもお金が来る(藤枝市立の場合、年間約1億)つまり、市民の側から見れば、いつでもどんな病気でも診てもらえる公立病院であればあるほど、拠点病院にはなれないというヘンテコリンな制度なのです。

 この医療圏には、その圏域内で医療を完結する(初診から終末期まで)事も構想とされていましたが、医療圏域内での医療の完結は、拠点病院の確保でも、結局は広範囲な西播磨圏域では、病院と病院の連携連携に頼らざるを得ず、ネットワークの医療完結は医師確保がままならない状況では、どの地域の医療圏域でも「絵に描いたモチ」にならざるを得ない状況でした。圏域内では完結していない(となりの大都市である姫路市は圏域内ではないのに、頼らざるを得ない)との院長の率直な話がありました。

 赤穂市民病院には、開放病床が10床あります。患者がいつもかかっている登録医が副主治医となり、入院した赤穂市民病院の医師が主治医となって共同して診療を実施する病床で、これは有益ではないでしょうか。診療科によって利用のばらつきがありますが、これは市立病院の医師の偏在によるものではなく、開業医の都合によるものであるとのことですので、藤枝市立も診療科によって活用できる道があると思いました

 

包括ケア拠点の地域医療連携室。場所も1階受付の目の前だ
包括ケア拠点の地域医療連携室。場所も1階受付の目の前だ

 二日目は尾道市民病院。視察テーマは「地域包括ケア尾道式」国による医療制度改悪で、入院が必要な患者を在宅や介護に移行させるシステムが今後さらに拡大する方向で、どのように患者の立場にたった取り組みが行われているが主なテーマでした。

 尾道市は人口規模は藤枝市とほぼ同程度、医療費は県平均よりも高い傾向です(藤枝は低い)

尾道方式と呼ばれる在宅支援、地域医療連携は、もともと経営的な事を目的として行ったものではなく。後になって、国からの点数がついてきたものでした。

 患者がいかに地域で療養、在宅で療養してもらう時に安心し満足できるかが問題。その取り組みを羅列すると

ケアマネ・包括・リハビリ施設・等々関係する殆どの部著との間での連携や相互の訪問。

退院後1ヶ月後の情報提供。退院して本当に患者家族にとってよかったかを取り上げる取り組み

特定の有資格者である緩和ケア認定看護師(尾道市民病院では2名)資格を取るのに半年と費用100万円と医師、臨床心理士、管理栄養士などの緩和ケアチーム

・看護師が看護だけでなく介護や療養施設の知識を取得し「在宅支援看護師」を設置。これを各部署(外来・病棟)に配置し、支援看護師自身が退院患者に対して退院後1週間以内に本人に電話して退院後の状況を確認する。

・急性期病院から在宅・施設・療養型に移行する際の「ケアカンファレンス」特に退院前(尾道式)

 事前準備 ケアマネにサービス調整を依頼(退院後に必要なケア等・ケアマネが病棟訪問し患者の情報提供を受ける)

 開催連絡(院内:多業種関係者 医師・病棟NS・薬剤師など 院外:在宅医師・介護士など)

 ケアカンファレンス開催 家族と本人を含めたカンファレンスで相互の理解と問題点を確認 年間324回開催

特にケアカンファレンスの充実で、不安なく移行できているような説明でした。

 しかし、家族の理解がない、生活保護の単身者など、経済的な問題や認知症のある場合など、退院支援患者を選択する際に、そうした理由を克服するのは課題であるとのことでした。

 また、当然、終末期や病状が進行する患者の場合は対象外にしているようでしたが、こうした入院を必要とする患者の追い出しにまでつながる可能性が今後法改悪で行われる事になりますが、それは尾道方式であろうと解決できない問題だと思いました。