従軍慰安婦は必要だった

 橋下氏の言い訳は通用しない

 橋下氏の「日本軍慰安婦は必要だった」発言への批判が広がっています。橋下氏は「慰安婦を利用することは世界中でやったこと」「日本だけが批判されるのは強制連行したという誤解があるから」などと主張し、慰安婦制度を正当化しています。

 この発言をどうみればいいのでしょうか。

 

他の国もやっていた(橋下氏)

 ⇒大日本帝国とナチスドイツのみが突出

 「日本だけじゃなくて色んな国で慰安婦制度と言うものを活用してきた」と橋下氏。しかし、第2次大戦で軍が組織的にこうした制度をつくったのは大日本帝国とナチスドイツだけです。

 戦時中、食糧等をたくさんもっている軍隊に、何とか生きていくために女性が集まり性売買が行われることは残念ながら色んな戦場で起きていますが「慰安所」設置の計画立案、ブローカーの選定、資金あっせん、女性を集め輸送する、慰安所の管理など軍が組織的に管理運営したのは日本とドイツだけです。

 さらに日本軍の場合は、軍自らが女性集めを行った事もしばしばありました。中国や東南アジアなどでは暴力的に拉致してくることもあり、なかには13・14歳の少女も含まれます。

 これは被害者の証言だけでなく日本兵の証言もたくさんあります。

 仮にほかの国がやっていたとしても「あいつがやったから俺もやっていい」的に慰安婦制度が認められるはずがありません。

日本だけが批判されるのは強制連行の誤解(橋下氏)

 ⇒元慰安婦証言で「強制」はあったと政府は認識

 慰安婦問題が表面化になった1992年、当時の日本は強制連行された人がいたという事実を認めていませんでした。

 しかし国際問題化するに従って政府が調査、軍が強制的に連行したかどうかという文書はありませんでしたが(実際は敗戦時に軍が証拠文書を焼却した)元慰安婦16人から聞き取りを実施しました。

 その結果「明らかに本人の意に反して連れて行かれた人、騙された人、普通の女子労働者として募集があって行った所が慰安所だった」事が明らかになりました。

 軍や官憲が女性を連行し慰安所に閉じ込めて日本兵による強姦や売春を行わせれば強制以外の何物でもありません。

 結局、政府は元慰安婦たちの証言を間違いないものと認めざるを得ず、内閣の意思として「河野談話」が発表されたのです。

 

しんぶん赤旗日曜版2月10日号より
しんぶん赤旗日曜版2月10日号より

 慰安婦問題で「河野談話」にかかわった当時の石原信雄官房長官に聞きました。

 ー私は政治的に右でも左でもなく、公務員として竹下内閣から村山内閣の事務にかかわってきました。

 宮沢内閣時に、日本軍の「従軍慰安婦」が日韓の間で問題となりました。政府として徹底調査を行いましたが、文書で通達とか指令とか「強制性」を立証する物的証拠は見つからなかった。しかし「強制された」と訴える被害者がいるので、日本政府が任命した調査官がソウルで元慰安婦16人の方にお会いして中立的な立場でヒアリングをしました。

 その内容は、もちろん被害者の人権上、絶対に公表しない事になっていますが、全部官房長官にも総理にも報告がいっています。その結果は、どう考えても、これは作り話じゃない。本人がその意に反して慰安婦とされたことは間違いないという事になりました。

 それを念頭に置いて、あの「河野談話」になったわけです。「河野談話」の表現は官邸の中で皆で相談して、最終的に決めた「内閣の意思」です。特定の人の意見ではなく、内閣の責任でだした談話だという事は間違いありません。

                              2013/5/22